ひとりごと

日本全国お雑煮コレクション2015


全国各地のお雑煮ってどんなだろう?
以前から気になっていたことをこの際、と
生徒様にアンケートを取らせていただきました。
所変われば品変わる。
聞けば出てくる出てくる、様々なお雑煮。
同じ地方でも色んな理由で味や具が変わるのも
お雑煮の面白いところ。
お雑煮にも独特のこだわりを持つ国民性、
日本の奥深さを感じました。
ちょっと長いので、
また息抜きの際にでもご高覧下さい。

アンケート内容はこれです。

1)お名前
2)都道府県(出来れば新潟県中越、とかまで)
3)汁気の種類(例:合わせだしに濃口とか。)
4)具
5)お餅の種類と仕上げ方
6)お雑煮の経緯
(住んでるところは千葉だけど、母が大阪なもんで白味噌。
だけど父が東京なので角餅を焼いて入れる。とか)

では参りましょう。
まずは私の場合。

image

1)小平泰子
2)京都市中京区
3)昆布ベースに白味噌仕立て
4)祝い大根、金時人参、頭芋、花カツオ
5)ゆがいた丸餅とヨモギ丸餅
6)これ以外あるなんて知らなかった。
ヨモギ餅は実家の畑の土手に生えているのを
祖父母が摘み取り、年末の餅つきの際に練りこみます。

ではお次は東京教室の生徒様、若手のお方です。
祝い箸が逆向きなのはサウスポーだからでしょうか。

image

1)アユーミ
2)埼玉県所沢
3)合わせだしに少しの濃口
4)鶏肉、しいたけ、人参、大根、
小松菜、なると、三つ葉、柚子
5)焼いた丸もち
6)母のオリジナル。もちは自分の家でつくため、
形は毎年決まっていない。今年は丸もち。笑
ちなみに姉の家も同じだと思います。
もちは我が家のをお裾分けしたので笑

なんてフリーダムな!お餅のかたちを
決めてないなんて!!さすが現代っ子!

お次は新潟。寒い地方のお雑煮は一体?

image

1 S田様
2 新潟県下越
3 煮干しと昆布で出汁をとり、濃口で仕上げる
4 大根、人参、鶏肉、こんにゃく、
蒲鉾、ネギ、きのこ、せり
5 湯がいた角餅
6 父母ともに新潟市生まれで、典型的な越後雑煮。
母の実家では鶏肉の代わりに塩抜きした塩引き鮭。

味噌仕立てか?!と思わせるほどの真っ黒さが
寒い土地ならでは、なのでしょうか。
きのこが入るところがなんとも新潟っぽく。
自家採取なんでしょうか?滋味深くて
美味しそう!
塩引き鮭のお雑煮も気になります!

さて、京都に戻りましょう。
同じ京都でもご両親の力関係で
こうも変わるそうです。

image

①N町様
②京都市 下京区
③おすまし
④大根、金時人参、里芋、鶏肉、蒟蒻、おネギ
⑤ゆがいた丸餅
⑥父方の母が石川なので、おすましです。
母方が白味噌だったのですがすましを母が作っておりました。
両親の力関係が、わかりますね。
ちなみに主人の家はすましでした。
全国お雑煮問題が発生するのがよくわかりました。

お雑煮問題、ですか。まだまだ続きますよ。
お次の方も京都ですが
ご両親が別々の場所にお生まれなのに、
同じようなお雑煮をすすっていた。
ちょっとロマンティックなエピソードです。
どぞ。

image
1)U良様
2)京都市伏見区
3)かつお出汁に白味噌
4)具→無し。花鰹かけるぐらい。
5)茹でた丸餅
6)母は滋賀の今津、父は京都の福知山ですが、
どっちも白味噌に具無しが共通だったらしいです~。
京都は白味噌に餅に具ですよね?
うちんちは具なしなんでみんなそうやと思ってましたー。

お雑煮でわかるラブ・ロマンスです。
愛があれば具なんて要らない。

お次も京都。
ご実家でお野菜を育てていらっしゃいます。

image

1)S藤様
2)京都市内
3)昆布だしに白味噌
4)大根 おいも 食べるときに鰹節
5)丸もちを煮たもの
6)おいもは前日に食べたいおいもを
各自選ぶシステムになっています。
(小芋、頭芋、セルベスの頭芋、セルベス)
本来は家長(父)が頭芋をたべる決まりなのですが、
好みにより、父が小芋、私が頭芋をたべています。

おいもさんをシステム化ですか!
色々選べるほど種類があるのが時代ですねえ。

image

で、その頭芋がこれ。
デカ。

場所は移って愛知からお越しの方です。
八丁味噌出るか否か?

image
1M島様
2 愛知県三河地方
3 合わせと鶏肉出汁、濃口醤油
4 鶏肉、もち菜、花かつお
5 長方形、茹でも焼きもせず3、4で煮る
6 実家婚家両親共愛知県のため、
幼少時間から疑いもなく、ほぼ同じ。
お餅がなかなか柔らかくならないので、
婚家では膨らむ直前までレンジでチンして鍋に入れてます。

、、、濃口でした。
もち菜とは小松菜に似た菜っ葉だそうです。
嫁がれた先のしきたりに従ってチンする姿勢も素敵です。

そして滋賀県に参りましょう。
コメドコロ滋賀のお雑煮とは?

image
1)K間様
2)滋賀県
3)普通のお味噌
(お料理教室で食べたお雑煮が美味しかったので今年は西京味噌です。)
4)もち、大根、白菜、人参、お揚げ、小芋
5)角餅で焼かずに
6)母は九州で醤油味でしたが
父の実家が自家製味噌で作られていたそうなので、
うちも味噌だそうです。

可愛い♡
お雑煮にお揚げさん、白菜が入るのが面白いですね〜。
自家製味噌で作るお雑煮、きっと美味しいはず!

お次は大阪!
同じ関西でも異色のお雑煮!

image
1F様
2大阪府
3チキンベース、薄口、お酒、塩
4鶏肉、もみ海苔、好みでとき卵
5トック餅
6母が京都出身なので、いつもは白味噌のお雑煮ですが、
今年は知り合いの韓国人から
トック餅をいただいたので、我が家風に作りました。
あっさりしてるので、お酒を飲んだ後に喜ばれています。

美味しそう!
これは胃が疲れ始めた3日目に食べたくなるなあ。
このまま焼肉まで食べたくなりそうだけど。

ではお次は千葉県。

image

1、M田様
2、千葉県千葉市
3、すまし汁 (出汁に濃口とお塩)
4、鶏肉、みつば、かまぼこ、しいたけ、ゆず、菜の花
例年、上記の具なのですが、
今年は姪のアレルギーや義弟の好き嫌いの事情で、
みつばがなく、しいたけ→しめじ、
かまぼこ→ちくわとなり、何故か菜の花が入ってました。
5、千葉に住んでいますが、母が東京八王子出身です。

柚子をきかせたお雑煮、清々しくて
美味しくいただけそうですね。
しかも華やか。このまま春に突入しそうな
大地の息吹を感じるお雑煮。

千葉県のお方お二人目は?

image

①H田様
②千葉県船橋市
③昆布、鰹出汁に薄口
④小松菜、なると、三つ葉
⑤焼いた角餅
⑥現在の住まいは千葉県ですが、
父の生家は中央区日本橋。
チャキチャキの江戸っ子な父の影響で関東風です。
鶏肉を入れる家庭もあるようですが、
我が家は何故か以前から鶏肉が入らず。
単純にお澄ましとお餅のみを味わうシンプルものです。
ちなみに母の実家(栃木県)には
お雑煮を食べる習慣がなく、
元旦はお赤飯&粕汁。
ですので我が家のお雑煮は父の影響のみ…。

面白いエピソードですね、栃木のお母様と
江戸っ子が出会ったら、
こういうお雑煮が生まれるのですね。

ちょっと待った!とメールを下さった
、、、わけではありませんが、栃木の生徒様のお雑煮、
ありました!同じ県でも地区によって違うとか?!

image
1)T様
2)栃木県北部
3)かつおだし、鶏肉のうま味、濃口醤油、みりん、酒、塩
4)鶏もも肉、小松菜、しいたけ、三つ葉、柚子、かまぼこ
5)角餅を焼いてから、お湯でゆでる
6)北関東特有の 『からっ風』吹く寒い中で頂く、
鶏肉のだしを利かせたこってり濃厚雑煮です。

焼いてから茹でるって、また手の込んだ、、、。
こってりもまたおうどんとか入れても良さそうですね。

お次も千葉県のお方ですがこうも違うのですね。
どぞ。

image

1)N様
2)千葉県北西部
3)鰹だしに薄口醤油
4)大根、人参、八つ頭、鳥むね肉、
小松菜、焼きもち、ナルト
5)のし餅、(焼き)
6)関東風

共通はナルトですね。
関東ではどうやらこのナルトや練り物が
入る傾向があるみたいですね。

お次は神戸。同じく練り物のカマボコが入りますが
ここにこの土地ならではのものが入ります。

image
1.S様
2.神戸市灘区
3.鰹だしのすまし仕立て
4.焼き穴子、かまぼこ、三つ葉
5.湯がいた丸餅
6.父の家の味、小さい頃からこれを食べてました。
関西地方ですがすまし仕立てです。

さすが神戸。穴子が入った贅沢お雑煮!
関西でもおすまし仕立てなんですね。

でも同じく関西の和歌山ですが
こちらのお方は白味噌仕立てのようです。

image

1)中M様
2)和歌山市内
3)カツオと昆布出汁 白味噌
4)百合根、京人参、大根、油揚
5)丸餅を焼かずに汁の中で柔らかくする
6)主人の実家
油揚が入ってたので初めはお味噌汁が出てきたと思った。
気になったので質問したら、お雑煮に油揚を入れるとのこと。

へえ。こちらもお揚げさんですか。
それにしても百合根が入るだなんて
これまた豪華でしかも新年から精がつきそうですね。

ジャンジャン参りますよ。
奈良からお越しの生徒様です。
なんとこちらはお父様がお台所に立たれる
なんとも有難いお雑煮。

image

1)小M様
2)奈良県奈良市
3)おすまし、濃口醤油とお出汁
4)人参、大根、鶏肉
※今回は金時人参で作ってますが、
福島の家では普通の人参で作ってるそうです。
※人参と大根の切り方は福島の家では拍子切りですが、
銀杏切りのほうが縁起が良いので、
銀杏切りにしたそうです。
5)トースターで焼いて、入れました
※福島の実家では、切り餅をとろとろになるまで
茹でてから入れます。
6)奈良在住ですが、父が福島県出身なのでおすまし。
母が大阪出身なので丸餅を焼いて入れてます。

お父様の愛情とこだわりが詰まった一杯です。
切り方にもこだわりがあるところが
包丁文化の国、日本といった感じですね。

お、待ってました静岡県。
魚、お茶、野菜、どれも美味しいもので
溢れているこの地方のお雑煮とは?

image

1.小N様
2.静岡県中部
3.鰹出汁に濃口醤油
4.大根、京菜、花カツオ、青海苔
5.角餅 出汁で煮る
6.とてもシンプルです。
義父はお餅がとけるほど煮込むのが好きでした。

青海苔が入るのは初めて見ました。
そして、そうそう!
お餅はカチっと派か、ドロッと派かに
わかれますよね?私はカチッと派。

さて、お次は茨城!

image

1 M川様
2 茨城県鹿行地区
3 こんぶとかつおのだしに
塩と淡口醤油で味付け
4 大根、人参、かまぼこ(なると)
海老、三つ葉、柚子皮
5 焼いた丸餅
6 関東なのですまし汁ですが、
母の実家が宮崎県なので、
お餅は送って頂いた丸餅です。

やはりナルトが入りますね!
お母様が宮崎県ということでお餅は
お母様が主導権を握っていらっしゃるようです。
こういうご家族の様子が滲み出るのも
またお雑煮の面白いところ。

さて、同じ九州でもところは熊本!

image

1)A木様
2)熊本県八代
3)昆布、鰹、スルメ、かしわ、醤油
4)大根、里芋、人参、牛蒡、
焼豆腐、京菜、水前寺もやし
5)水に漬けた丸餅
6)本当は水に漬けた丸もちですが、
家族のなかでは焼きもち派と分かれます。
母云く、出汁にスルメを入れないと、
味に深みが出ないそうです。

うわー!とうとうお雑煮にもやしと焼き豆腐がin!
しかもお出汁がスルメだなんて。これ絶対美味しいし
呑んだ後に喜ばれそう!

さてお次は群馬のお方。
有難いことに3つも送って下さいました。
さてどんなお雑煮が待っているのでしょうか?

ひとつめ。またまたサウスポーでしょうか?
image

1)K田様
2)両親は群馬県、高崎市の出身。
3)鰹出汁に鶏を合わせ、みりんのない家なので
父が工夫し料理酒とお酢、塩、
ほんの少しのお醤油で味付け。薄味。
4)三つ葉と柚子、焼き海苔。
(練り物が好きでない私用にナルトの代わりに人参。)
5)知人が年末についた玄米餅を焼いて。
6)父の実家の味を再現してるそう。

ほんの少しのお酢が味の決め手なんですって。
さっぱりしてコクも出るでしょうね。
すごいなあ、知恵のあるお雑煮。

2日目は具沢山。

image

3)鰹出汁に鶏を合わせ、軽く根菜と一緒に煮て
お元日より少し濃いめの味付け。
4)大根、人参、ごぼう、タケノコ、
鶏肉、三つ葉、焼き海苔。お餅は同じ玄米餅。
6)祖母宅で過ごしたお正月の2日目は、
ストーブにかけられたお鍋で具沢山のお汁を煮て、
お餅もストーブで焼き、
こたつから出ずに過ごした子供の頃の記憶…。

ああ、なんかこの景色、浮かびます。
なんとも言えない新年の幸福感。
で、3日目のがこちらだそうです。

「ちなみに旦那さんの得意料理のひとつ、のお雑煮。
鶏もものみで取った出汁に塩のみのシンプルな薄味。
大根と三つ葉、茹ほうれん草に玄米餅を焼いて。」

image

「明日はこれをフォーにアレンジしちゃおうかと…。」
ですって。あ、いいですねそれ。
お雑煮の進化系ですね。

またまたこちらの方も二つ送って下さいました。

image
1)K森様
2)東京都渋谷区
3)あご出汁に薄口醤油
4)ぶり、鶏肉、かまぼこ紅白、三つ葉、ゆず
5)焼いた切り餅
6)主人は東京育ちですが、義母が福岡県博多出身なので、
そちらの系統ではないかと思います。

ようやく出ました、あご出汁。
九州の方がよく使われるとびうおのお出汁。
力強い、濃いお出汁がひけるんですよね。
ぶりが入るなんて超贅沢。ああ、お腹空いてきた。

で、2日目。

image
3)鰹だしに味噌仕立て
4)大根、里芋、花鰹
5)焼いた切り餅
6)実家の父は彦根出身ですが、祖母が熊本出身。
どうしてこのお雑煮なのか母もよくわからないそうです。
素朴ですが案外美味しいのです。

鰹だしにさらに花鰹をかけてW鰹!
素朴で美味しいとおっしゃるのがうなづけます。
それにしてもお雑煮はルーツをたどるのにも使えそう。
なんかそれだけで泣けてくる。

さてお次は北陸は福井から。
ぶりが入るか?いや、カニか?!

image

①T永様
②福井県福井市
③たっぷりの昆布で出汁をとって醤油仕立て
④具なし、花かつおのせる
⑤丸餅(そのまま鍋に入れて柔らかくする)
⑥福井市は丸餅白味噌仕立てだが、
両親の実家が越前海岸に近く、
子供の頃から丸餅醤油仕立てしか知らないと言われた。

なんと!シンプルにお餅と花鰹のみ。
U良様のすましバージョンですね。
普段から新鮮なお魚を食べていらっしゃるから、
お魚はハレの食ではないのかも?
だって「カニは普段家で食べるものです。」と
カニをカジュアル食べされている方ですから!

最後はギュギュンと飛んで
ノルウェーからお越しの方。

image
1)A様
2)神戸市(ノルウェー・オスロ在住)
3)昆布・鰹節、白味噌
4)海老芋、金時人参、大根。。。
と言いたいところですが、
こちらで手に入るもので作ります。
今年は旅行から帰って来たばかりで、
しかも日曜でお店が開いておらず(涙)、
普通の人参を輪切りで日の出に見立て、
コルラビをいちょう切りにして下茹でしたものです。
5)関西出身ですので丸餅が希望ですが、
こちらで手に入る「サトウの切り餅」で。
別茹でします。
6)関西風のお雑煮を入手可能な食材で。
白味噌が無い時はおすまし風に作ったりします。

きっとサーモン入りお雑煮の画像が
送られてくるのかと思いきやきちんとした
関西お雑煮だったのでビックリ。
海外でも、故郷の味は再現出来る、ということですね。

皆様、新年のゆっくりしたい時期に送ってくださり
本当にありがとうございました。

お雑煮にはそれぞれのストーリーがあり、
ルーツを知ることができ、
ご家族の愛を感じることが出来るということですね。
お雑煮は日本の国民性を象徴しているかのようです。
アンケートで、私も沢山のことを学びました。

ありがとうございました。