四季の暮らしを楽しむ 京都

木の芽炊き


京都は小野郷という地に、
それはそれは美味なる木の芽炊きを作られる
「木の芽炊き名人」がいらっしゃいます。
木の芽炊きとは、山椒の葉の佃煮。
甘くない、お醤油とお酒のみで
さっぱりと仕上げた木の芽炊きは、
アツアツのご飯だけでなく、
日本酒とも最高に合う、
この時期だけの珍味です。

小野郷(おのごう)は
京都の喧騒が遠ざかって消える、
京都の中心地から
車で1時間半ほどの山里。

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自生した山椒でないと
美味しく炊けないの、と
山の奥深くまで入った場所で
木の芽の収穫。

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「木の芽を炊きすぎてね」と
見せていただいた手には「炊きタコ」が、
手の甲は木の芽で荒れていて。
それでも、毎年この時期になると
「あれが食べたい」と言うお友達のためにも、
炊きたくなってうずうずするんだとか。

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出来上がった木の芽炊き。
これだけの量を作るのに、
山椒の葉を大きなざる10杯に入れても
足りないと思います。
収穫時間2時間、
調理時間4時間。
気が遠くなる作業だけど、
美味しいの声が聞きたくて、
毎年作り続けて60年。
私もこの味、再現してみたいと思います。