ご入会くださる生徒様のお悩みの一つ、「炒め物しかレパートリーがない。」。それをどうにか解決すべく、私のお料理教室にせっせと足を運んでくださる生徒様が沢山いらっしゃいます。はい、京都のおかずに、かぐわしい香りのお出汁は必要不可欠ですものね。けれど、我が家の食卓には毎晩のように炒め物がズラリと沢山並びます。何より、サッと作れる便利さに加え、お野菜本来の美味しさを引き出すには、油を使ったお料理は欠かせません。「炒め物」とくくるのではなく、炒めてマリネやきんぴらにするという発想を持てば、お料理に対するストレスも少しは和らぐのではないでしょうか。
例えばこれは、レンコンの酢びたし。ごま油で炒めて三杯酢に漬け込む、れっきとしたマリネです。
これは、オリーブオイルでバジルを炒めて香りづけし、アスパラを煮るように炒めただけ。バジルの香りが嬉しい、春の炒め物です。
こちらは大量のキャベツを消費したく思いついた炒め物。ごま油でおじゃこをカリカリにし一旦おじゃこを引き上げ、その油でキャベツをサッと油通しし、おじゃこをトッピングしただけ。私なりの、きんぴら。
ちょっとした工夫で、単なる炒め物も立派な一品になる。でもその工夫が一番難しい。工夫とは、素材についてよく観察して、愛情をかけてその素材の良さを引き出すこと。料理は愛情!とはうまく言ったもの。結局美味しくするは、愛情をかけるのが一番、ということなのでしょうかネ。